転倒する要因は身体機能の低下だけではなく、服薬内容によっても転倒リスクを向上させることがわかっています。
睡眠薬での転倒リスクの上昇は有名な話ですが、特に長時間作用型の眠剤やベンゾジアゼピン系(副作用に筋弛緩作用あり)には注意が必要。
Elisabeth Granekらの研究によると、「NSAIDs+利尿剤+眠剤/安定剤」の組み合わせが最も転倒リスクが高いと報告しています。
以下は同論文に記載された転倒リスクの高い順の薬の飲み合わせ
1位:NSAIDs+利尿剤+眠剤/安定剤
2位:NSAIDs+心疾患薬+眠剤/安定剤
3位:NSAIDs+心疾患薬+血管拡張薬
4位:抗うつ薬+心疾患薬+利尿薬
5位:NSAIDs+利尿剤+血管拡張薬
服薬状況を確認した上で、改めて環境整備や歩行自立度の検討を行うことも大切なリスク管理と言えます。
<参考>
Elisabeth Granek, et al. Medications and Diagnoses in Relation to Falls in a Long-Term Care Facility. Journal of the American Geriatrics Society. June. 1987